WordPressのブロック開発メモ その2 TypeScript編

前回のブロック開発の基本では、ひな形がJavaScriptを生成してました。

WordPressのブロック開発メモ その1

やっぱ、TypeScript使いたいよね!

ひな形はJavaScriptで書かれていますがTypeScriptで書くこともできます。
ただTypeScriptを使った場合、型定義でいろいろ文句をいわれることになります。

ブロックファイルの頭はindex.jsですが、試しにこれをTypeScriptに変えてしまいましょう。

拡張子は.tsでもいいですし、TSX(JSXのTypeScriptバージョン)を使いたいときは.tsxでもいいです。

早速@wordpress/blocksが見つかりませんとかいうエラーが出てきました。
これはブロックに関する型定義をインストールすると収まります。

npm install --save-dev @types/wordpress__blocks

すると今度はregisterBlockType()関数でエラーが出ます。

JavaScriptで書かれたコードと違って型にとっても厳しくなります。

registerBlockType()の第二引数をany型にキャストすればエラーは出なくなります。

registerBlockType( metadata.name, { edit: Edit, save,} as any);

BlockConfiguration

厳密には第二引数はBlockConfiguration<>型です。

一旦次のようにソースコードを書き換え見ていきます。

import { BlockConfiguration, registerBlockType } from '@wordpress/blocks';

import './style.scss';

import Edit from './edit';
import save from './save';
import metadata from './block.json';

// React コンポーネントのpropsの型を自由に決める
interface KurageExampleBlockProps
{
    // 特に何も指定しない
}

// 第二引数の型、ジェネリックの引数にはpropsの型を指定
const blockConf: BlockConfiguration<KurageExampleBlockProps> =
{
    attributes: {},
    title: metadata.title,
    category: metadata.category,
    edit: Edit,
    save,
};

registerBlockType(metadata.name, blockConf);

任意に定義したKurageExampleBlockPropsはコンポーネントpropsプロパティの型を決めます。
BlockConfigurationで型指定するとattributes, title, categoryは必須なので定義します。
titlecategoryblock.jsonから持ってきてます。

import metadata from './block.json';

attributesについてはは重要なので後で詳しく説明します。

save.jsedit.jsの拡張子ををそれぞれ.tsxに変更します。

そしたらuseBlockProps()が型定義に含まれていないので怒られることになります。

 npm install --save-dev @types/wordpress__block-editor

エディタの方では@wordpress/i18nが見つかりませんと怒られます。

npm install --save-dev @types/wordpress__i18n

これで一旦型関係で警告を受けることはなくなりました。

BlockConfigurationについてもう少し掘り下げます。

スタイル(クラス)の選択

BlockConfigurationstylesを追加します。

import { BlockConfiguration, registerBlockType } from '@wordpress/blocks';
import './style.scss';

import Edit from './edit';
import save from './save';
import metadata from './block.json';

interface KurageExampleBlockProps
{

}

const blockConf: BlockConfiguration<KurageExampleBlockProps> =
{
    attributes: {},
    title: metadata.title,
    category: metadata.category,
    styles:
    [
        {
            name: 'default',
            label: 'デフォルト',
            isDefault: true
        },
        {
            name: 'darkblue',
            label: '闇'
        },
        {
            name: 'lightblue',
            label: '光',
        }
    ],
    // example: {},
    edit: Edit,
    save,
};

registerBlockType(metadata.name, blockConf);

stylesを追加するとブロック選択時に右のエリア(設定サイドバー)にデフォルト, , の項目が出てきます。
設定サイドバーが表示されて無い時は歯車みたいなメニューアイコンをクリックすると出てきます。

ちなみにクリックするとあることがおきます。
プレビューページのブロックをよく見ると。

クラスにis-style-lightblueが追加されています(ブロックのエディタの方にも追加されます)。
命名規則からis-styleとクリックした項目のnameプロパティとがハイフンで繋がって生成されます。

おっと、今回は単にis-style-lightblueクラスが追加だけなのでサンプル画像の用にデザインは反映されません。

サンプル画像のようにスタイルを反映させるにはstyle.scssに変更を加えなければいけません。

.wp-block-create-block-kurage-worker {
    background-color: #21759b;
    color: #fff;
    padding: 2px;

    &.is-style-darkblue
    {
        background-color: darkblue !important;
        color: lightblue !important;
    }

    &.is-style-lightblue
    {
        background-color: lightblue !important;
        color: darkblue !important;
    }
}

これで.wp-block-create-block-kurage-worker.is-style-lightblueの要素にのスタイルが反映されるようになります。

プレビューが反映されてない!

項目(光や闇など)にカーソルを当てたときプレビューが表示されてません。

前回のインスペクタの時も同じです。

結構苦労したのですが、どうやらexampleを指定しないと表示されないようです。

const blockConf: BlockConfiguration<KurageExampleBlockProps> =
{
    attributes: {},
    title: metadata.title,
    category: metadata.category,
    styles:
    [
        {
            name: 'default',
            label: 'デフォルト',
            isDefault: true
        },
        {
            name: 'darkblue',
            label: '闇'
        },
        {
            name: 'lightblue',
            label: '光',
        }
    ],
    example: {},
    edit: Edit,
    save,
};

前のコードではわざとexampleをコメントアウトしてました。
外すとプレビューされるようになります。

今回はにカーソルを当てたときの物です。

サポート

supportsを追加するとあらかじめ用意されたいくつかのブロックの機能をサポートするかの有無を設定出来ます。
例えば「左寄せ、中央寄せ、右寄せ」をツールバーに表示するかどうかや、ブロックに.wp-block-create-block-kurage-workerのようなクラスを追加するかどうかなどの設定があります。

中でもalignalignWideの関係が分かりにくかったので取り上げます。

const blockConf: BlockConfiguration<KurageExampleBlockProps> =
{
    attributes: {},
    supports: {
        align: true,
        alignWide: true,
    },
    title: metadata.title,
    category: metadata.category,
    edit: Edit,
    save,
};

ツールバーに配置や表示幅の項目を追加するかどうかを設定します。

aligntrueにするとleft, center, rightが表示されます。
alignWidetrueにするとwide, fullが表示されます。

キー 表示
left 左寄せ
center 中央揃え
right 右寄せ
wide 幅広
full 全幅

ただし、alignWideを有効にするにはPHP側でalign-wideを有効にしておかないと表示されないっぽいです。

add_action('after_setup_theme', function(){
    add_theme_support('align-wide');
});

alignに配列を設定すると表示する項目を制御出来ます。

supports: {
    align: [ 'center', 'right', 'wide' ],
    alignWide: true,
},

ところがalignに配列を設定するとalignWideの設定に関係無くalign配列の項目だけを表示するようです。

editsaveでどうなってるかHTMLを覗いてみます。
edit側では外側にdivで囲まれ、さらにdata-aligncenterrightが設定、フロートタイプになってる。

  • あれ、フロートのせいで列がズレてる!?? この辺は要調査ですね。

ではsave側ではどうなってるでしょう?
クラスに.alignright.aligncenterが追加されてます。

ちょっとstyle.scssいじってみます。

.wp-block-create-block-kurage-worker {
    background-color: #21759b;
    color: #fff;
    padding: 2px;

    &.is-style-darkblue
    {
        background-color: darkblue !important;
        color: lightblue !important;
    }

    &.is-style-lightblue
    {
        background-color: lightblue !important;
        color: darkblue !important;
    }

    &.alignleft
    {
        text-align: left;
    }

    &.aligncenter
    {
        text-align: center;
    }

    &.alignright
    {
        text-align: right;
    }

}

ところでDBにはどう保存してあるか分かりますか?
wp_postsを見てみます。

この辺の内容は次回につづく。

WordPressのブロック開発メモ その3 編集

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